車のダッシュボードやハンドル付近にある「赤い三角マーク」。
車に詳しくない人でも、「あれはハザードランプのスイッチだな」となんとなく認識している方が多いでしょう。
では、その赤い三角形にはどんな意味が込められているのでしょうか?
なぜ「三角」なのか? そしてなぜ「赤色」なのか?
この記事では、ハザードマークの形と色に隠された意味、
さらには国際的な規格や安全ルールに基づく背景まで、わかりやすく解説します。
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ハザードマークとは?
一般的な使い方
ハザードマークとは、車両のハザードランプ(非常点滅表示灯)のスイッチを示すアイコンです。
点灯させると、左右両方のウィンカーが同時に点滅し、以下のような場面で使われます:
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高速道路での緊急停止
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駐車場での出入り合図
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後続車への注意喚起
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渋滞中の停止表示
表示位置とデザイン
通常、ハザードスイッチは赤い三角マークで表示されており、
ダッシュボード中央など、すぐに手が届く位置に設置されています。
なぜ「三角形」が使われているのか?
① 三角形=「警告・注意」を意味する形状
三角形は、世界中の標識で「注意・警告・危険」を表す形として使われています。
たとえば:
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道路標識:多くの「注意」系標識が三角(例:横断注意、合流注意)
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電気製品:感電や高温注意マークも三角にビックリマーク付き
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工事現場:黄色と黒の三角の看板なども同様
つまり、三角は直感的に「警戒すべき対象」だと認識されやすい形なのです。
② 頂点が「危機感・方向性」を示す
三角形は尖った頂点を持つため、「注意を一点に集中させる」効果があります。
円や四角よりも人の目を引きつけやすく、緊急感を持たせるのに向いています。
なぜ「赤色」なのか?
① 赤は「緊急」「停止」「警告」の色
赤は視覚的に強いインパクトを持ち、以下のような印象を与える色です:
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危険、注意、警告
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緊急停止、命の危機
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熱さ、火、血液などの連想
これらの特性から、赤色は最も注意を引く色として交通や安全標識で多用されます。
② 暗闇でも認識しやすい
夜間やトンネル内などの暗所でも、赤は白や黄色と並んで認識しやすい色のひとつです。
そのため、緊急用のスイッチや表示灯に最適な色とされています。
ハザードマークの形状と色は国際規格で定められている
国際基準 ISO 2575 による規定
ハザードマークのデザインは、国際標準化機構(ISO)が定める「ISO 2575」によって以下のように規定されています:
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赤い正三角形
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白い縁取りや背景色は不要
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中に文字や記号は入れない
このデザインは、世界中で統一されているシンプルな非常灯のシンボルです。
なぜ統一されているのか?
車の輸出入が盛んな現代では、国ごとにマークや操作が違うと国際的な安全性に問題が生じます。
そのため、各国の自動車メーカーや交通安全機関は、ISOやECEなどの規格に準拠する形でハザードマークを設計しています。
「三角形」は車外でも使われている
停止表示板(三角停止板)
車のトランクに搭載されている「三角停止板」も、赤い三角形の形をしています。
これは、故障や事故で車を停止させた際に後続車への注意喚起として設置する器具です。
この三角停止板も、ハザードマークと同じく「警告・緊急」の国際的シンボルとしての意味を持っています。
三角形=「車の緊急事態」を示す共通記号
ダッシュボードの三角も、停止板の三角も、同じ意味。
それは「今この車は非常事態にある」という強いメッセージです。
ハザードマークに似たマークとの混同に注意
よくある混同:ABSやエアバッグの警告灯
車内には他にもさまざまなマークがあり、赤やオレンジの警告灯が多数存在します。
たとえば:
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エンジンチェックランプ
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エアバッグ作動警告
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シートベルト未着用警告
これらはそれぞれ固有の意味を持ちますが、ハザードはあくまで“点灯操作するためのスイッチ”であり、
点滅するのはランプそのものではなくウィンカーとの連動です。
まとめ:三角マークは世界共通の「緊急サイン」
車のハザードマークに使われている赤い三角形には、以下のような意味や背景が込められていました。
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三角は「注意・警告」を象徴する形
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赤は「緊急」「停止」を意味する色
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ISOなどの国際基準で統一されたデザイン
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車外の三角停止板とも意味を共有
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一目で危機状態と分かるように直感的に設計されている
普段は無意識に押しているハザードボタンですが、そのシンボルに注目してみると、
世界共通の安全設計が詰まっていることが見えてきます。
次に車に乗ったときには、ぜひその「赤い三角」を少しだけじっくり見つめてみてください。