「質問が多くてすみません」が気まずい理由|ビジネス現場で起きている本当の心理

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新しいプロジェクトで感じた、あの気まずさ

新しいプロジェクトに配属になったときの、私の失敗談です。

その仕事は、自動車の「ワイヤーハーネス設計」。

自動車設計の経験はありましたが、ワイヤーハーネスは完全に未経験でした。

ところが配属後まもなく、専門部署との打ち合わせが予定されます。

その場で私は、

  • 必要なハーネス

  • 不要なハーネス

を切り分け、その理由まで説明しなければなりませんでした。

……正直に言います。

何も分かりませんでした。

準備が追いつかないまま打ち合わせ当日を迎え、結果は惨敗。

説明する立場のはずなのに、私は専門部署の担当者へ何度も同じような質問を繰り返していました。

相手は丁寧に答えてくれました。
嫌な顔ひとつせず、何度でも。

それでも私は、どこかでこう感じていました。

「この人、本当に自分に任せて大丈夫だと思っているだろうか」

汗をかきながら、何度も口にした言葉があります。

「質問が多くてすみません」


未経験の仕事で誰もが感じること

どんな人にも、初めて取り組む仕事があります。

分からないことが出てくるのは当然です。
それでも仕事は止まりません。

だから私は、分からないときは素直に聞くべきだと思っています。

丁寧にお願いすれば、多くの場合きちんと教えてもらえます。

それなのに、なぜか気まずさが残る。

私はこの感覚こそ、自然なものだと思っています。

質問をするということは、相手の手を止めているという自覚が生まれるからです。

一度なら問題ない。

けれど回数が増えると、こう考え始めます。

  • また聞きに行っていいのだろうか

  • もっと少ない回数で済んだのではないか

  • 理解が遅いと思われていないだろうか

そして私たちは、先回りしてこう言ってしまいます。

「質問が多くてすみません」

※「質問が多くてすみません」の言い換え表現については、こちらの記事で詳しくまとめています。

ビジネスで「質問が多くてすみません」の正しい敬語と言い換え|メール例文・英語表現も解説


本当に怖かったのは「理解できない自分」だった

いま振り返って気づくのですが、
私が気まずかった理由は質問の回数ではありませんでした。

教えてもらっても、すぐには理解できなかったのです。

説明を聞いた瞬間は分かった気がする。
でも次の作業に移ると、また分からなくなる。

だから質問を止められない。

そのとき私が恐れていたのは、迷惑をかけること以上に、

理解できていない自分が露呈すること

でした。

「質問が多くてすみません」という言葉は、
相手への謝罪というより、

「まだ戦力になれていません」

と自分から宣言してしまうような感覚があったのです。


「助けて」と言えない社会人の心理

未経験でも、その仕事の担当者になった以上、
周囲から見ればあなたが責任者です。

立場だけは、もう任されている。

この状況は思っている以上に苦しい。

逃げ出したくなる気持ちになることもあります。

だからこそ、質問できるうちに疑問を解決したい。
必死になって質問を重ねる。

でも理解が追いつかない。

本当は、のどまで出ている言葉があります。

「助けてください」

けれど社会人は、それを簡単には言えません。

だから代わりに謝る。

「質問が多くてすみません」は、
謝罪の形をした小さなSOSだったのかもしれません。


それでも質問を続けた理由

いま思えば、あの言葉は単なる謝罪ではありませんでした。

それは責任感の表れだったのだと思います。

逃げることもできた。
分かったふりをすることもできた。

それでも私は、

  • 今の立場から逃げず

  • 安易に助けを求めず

  • 自分の力で一人前になろうとしていた

かっこ悪くてもいい。
謝りすぎてあきれられてもいい。

それでも前に進もうとしていた。

あの言葉には、不器用な決意が込められていたのです。


質問とは「合意」が生まれた証拠

ここで重要なのは、
あなたと目の前の相手はすでに同じ仕事を共有しているということです。

あなたが質問した。
相手が答えた。

それは単なる受け答えではありません。

仕事の前提について小さな合意が成立した瞬間です。

質問とは迷惑ではなく、
仕事を一緒に進めている証拠なのです。


裏技ではなく「実務の手筋」— 丁寧さを合意形成に変える

ここまで読んでいただいた方なら、
「質問が多くてすみません」という言葉の見え方が少し変わったかもしれません。

ここからは、特別な裏技ではなく、
現場で役立つ実務的な進め方を紹介します。


① 相手の協力を言語化する

質問に答えてくれた相手は、あなたの仕事に協力しています。

その事実を言葉にします。

  • 「助かりました」

  • 「整理できました」

  • 「ありがとうございます」

これは単なるお礼ではありません。

相手との協力関係を確認する行為です。

仕事を一緒に進めているという前提が、ここで生まれます。


② 「ここまでの理解で合っていますか?」で合意を取る

説明を聞いて終わりにせず、こう続けます。

「ここまでの理解で合っていますか?」

自分の理解を言葉にすることで、
認識のズレをその場で修正できます。

相手が「それでOK」と言った瞬間、
それは説明ではなく合意になります。

質問する側から、
仕事を決める側へ立場が変わる瞬間です。


③ 「この前提で進めます」を明文化する

最後に一言。

  • 「この前提で進めます」

  • 「この理解で作業します」

これは相手を縛るためではありません。

後から起こりがちな

  • 認識違い

  • 手戻り

  • 後出しジャンケン

を防ぐための確認です。

質問とは、迷惑ではなく
合意を積み重ねる仕事のプロセスなのです。


まとめ|「質問が多くてすみません」と言いたくなったとき

「質問が多くてすみません」。

以前の私は、この言葉を口にするたびに自信を失っていました。

けれど今は、少し違う見え方をしています。

質問は未熟さの証明ではありません。

仕事の前提をそろえ、
認識を共有し、
前へ進むための確認作業です。

もし次にこの言葉を口にするとき、
それはきっと仕事から逃げていない証拠です。

分からないまま進めず、
立ち止まり、確認し、前へ進もうとしている。

その姿勢こそが、
すでに仕事を共有しているというサインなのだと思います。

「質問が多くてすみません」は、
自信のなさから出る言葉ではなく、

仕事を前に進めるための一言

なのかもしれません。

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