「◯時までに◯しておいて」──上司や先輩から言われたこの一言。
言葉では理解できるけれど、「それって何時まで?」「今すぐじゃなくても大丈夫なの?」「“早めに”って、今日中?」と、時間に関する“あいまいな指示”に戸惑った経験はありませんか?
今回は、そんな“ぼんやりワード”の代表格である「なるはや」「手が空いたら」「早めに」「ASAP」などについて、その意味のズレがどうして起きるのか、どう受け止めればいいのか、そしてズレを防ぐための対策法を、ストーリー仕立てでわかりやすくお届けします。
🧩 「なるはやでお願い」と言われた新入社員・佐藤くんの苦悩
4月に入社したばかりの佐藤くん。ある日のこと、上司からこう言われました。
「この資料、なるはやでお願いね」
(……なるはや? なるべく早く? それって“今日中”ってこと? それとも“今すぐ”?)
佐藤くんは急ぎでやった方がいいと判断し、昼休みを削って1時間で仕上げました。
ところが、提出したとき上司の反応は微妙。
「あれ?もうできたの?……あー、ごめん、これ明日の午後まででよかったんだけど」
佐藤くんは、せっかく急いで仕上げたのに、まさかの“急がなくてよかった”案件。
このように、「なるはや」のような言葉は受け手の判断に委ねられる部分が多く、誤解を生みやすいのです。
📘 あいまい指示が職場にあふれる理由
では、なぜ職場では“あいまいワード”がこんなにも多く使われるのでしょうか?
1. 忙しさゆえの略語化
「今日中に対応できるとありがたい」といった丁寧な表現よりも、
「なるはやでお願い」といった短縮形のほうが言いやすく、効率的です。
2. 相手への気遣い
「今すぐやって」と命令口調になるのを避け、やんわりとした表現にするため、
あいまいな表現が使われることがあります。
3. 相手に考えてほしいという意図
「手が空いたらでいいよ」は、“今すぐじゃないけど、忘れずにね”という含みを持たせているケースも。
📝 よく使われる“あいまい指示”とその意味の幅
表現 | 上司の意図(想定) | 受け手がとる解釈(例) |
---|---|---|
なるはや | できれば今日中、遅くとも明日午前 | 今すぐやらなきゃ? |
手が空いたら | 明日以降でも可、忘れずに | 緊急じゃないから後回し? |
早めに | 明日までにはやってほしい | 今すぐ?今日中? |
ASAP(エーサップ) | 可能な限りすぐに対応して | 「即時対応」レベルの緊急対応? |
落ち着いたらでいいよ | 他の業務が落ち着いてから対応でOK | 数日放置してもいいのかも? |
こうした言葉の違いには、立場や感覚のズレが存在します。
🧭 どうすればズレを防げる?
あいまいな指示で生まれる“ズレ”は、対話と確認で防ぐことができます。
● 1. 指示を受けたら「期限」を具体的に確認する
「なるはやということですが、今日中が目安でしょうか?」
「明日の午前中までで間に合いますか?」
といった具合に、具体的な時刻や日付で確認することが最も効果的です。
ポイントは、YES/NOで答えやすい聞き方にすること。
上司が忙しくても答えやすく、角も立ちません。
● 2. 優先順位を明確にする
複数のタスクを抱えている場合は、
「今抱えている案件のうち、どれを最優先にすべきですか?」
「この作業を先に進めた方がいいですか?」
など、“上司の中での優先順位”を見極める質問をしてみましょう。
「手が空いたら」と言われた仕事でも、上司の中ではけっこう重要だった──というケースも少なくありません。
● 3. 曖昧ワードは自分も使わないようにする
自分が指示を出す立場になったときにも、「早めに」や「ASAP」などの言葉は、なるべく避け、
- 「明日の15時までに」
- 「今日の夕方まで」
といった具体的な期限を明示する癖をつけましょう。
また、タスクが複数ある場合は、
- 「資料Aは急ぎ、資料Bは明日でOK」
など、仕事の“緊急度”や“優先度”もセットで伝えることが、ズレを防ぐポイントです。
📣 新入社員の佐藤くん、その後
「なるはや」で失敗した佐藤くんですが、別の日にはこんな会話をしていました。
上司:「来週の会議資料、早めにお願い」
佐藤:「承知しました。来週月曜の午前までにご提出する形で大丈夫ですか?」
この返しに上司もニッコリ。
「お、助かるよ。そんな感じでよろしくね」
こうして佐藤くんは、“あいまいワードに自分なりの具体性を加える技術”を身につけ、上司とのコミュニケーションがスムーズになっていったのです。
🧩 まとめ:あいまい指示を怖がらず、うまく付き合おう!
あいまいな言葉は、人間関係を円滑にするための“潤滑油”でもあります。
すべてを数字で指示しあうと味気ないし、無機質になってしまいます。
だからこそ、あいまいワードとどう付き合っていくかが、社会人としてのスキルの一部ともいえるのです。
- わからなければ素直に聞く
- 曖昧な表現には具体的な確認を
- 自分も相手に伝わる言葉を意識する
これらを意識すれば、「なるはや」や「手が空いたら」に悩むことも減っていくはず。
あいまいな指示は、怖がらずに“翻訳”して受け止めてみましょう。
それができれば、あなたの“仕事の精度”は、ぐっと上がります。
以上、ASAP・なるはや・手が空いたら…職場のあいまい指示を完全解読!でした。
次回は、さらに“コミュニケーションの曖昧さ”に切り込むテーマでお届け予定です。