はじめに
「なんであの人だけ定時で帰れるの?」
仕事が終わらず今日も残業…。周囲の机にはまだ明かりがついている中、颯爽とバッグを持って帰っていく“あの人”。
もしかしてサボってる?それとも何かズルしてる?
――そんなモヤモヤを感じたことはありませんか?
実は「定時で帰る人」は、仕事量が少ないわけでも、適当にやってるわけでもありません。むしろ「本当に仕事ができる人」ほど、時間内で成果を出すための戦略を持っています。
この記事では、「なぜあの人は定時で帰れるのか?」という疑問をひも解きながら、仕事を早く終わらせるコツや、定時退社に向けたマインドセットを紹介します。
定時で帰るあの人の特徴5選
1. 朝のスタートが早い&集中している
定時で帰る人の多くは、朝の時間をとても大切にしています。誰にも話しかけられない朝の1〜2時間は、深い集中ができる“ゴールデンタイム”。
同僚の田中さんは8時に出社し、メール確認、タスク整理、重要案件の対応までを午前中に完了させていました。「午後は打ち合わせが入って思うように進まないから、朝が勝負」と語ります。
2. タスクに優先順位をつけるのがうまい
「やらなきゃいけないこと」は山ほどあっても、「今すぐやらなきゃいけないこと」は意外と限られています。
定時で帰る人は“なんとなく忙しい”から脱却し、「重要かつ緊急」なことを最優先に片づける術を知っています。
たとえば佐々木さんは、朝一で「今日やるべき3つのタスク」を書き出し、それ以外は割り込み仕事を含めて極力午後に回していました。自分の時間軸を守る工夫ですね。
3. 無駄な仕事を増やさない工夫がある
・完璧を求めすぎない
・会議を減らす/早く終わらせる
・メールやチャットのラリーを減らす
など、「これは本当に必要?」と立ち止まって考えるクセがあります。
社内報のデザインを担当していたAさんは、「見出しフォントが3ミリずれてる」と修正を求められても、「読める範囲でよければこのまま進めても?」と交渉することで、1日仕事を30分に短縮できたそうです。
4. 相談と報連相のタイミングが絶妙
忙しい人ほど、なぜか“手戻り”が多くなりがちです。これは、「ちゃんと聞いていれば1回で済んだ」ことを後からやり直す時間が積み重なっているため。
早く帰る人は、確認や相談のタイミングが適切で、上司や同僚に「あとから言うなよ〜」と思わせないのが特長です。
むしろ、「それ今のうちに聞いてくれて助かった」と言われるような立ち回りが自然にできています。
5. やる気ではなく仕組みで仕事している
「今日はやる気があるから頑張れた」ではなく、「疲れてても自然に仕事が片づく仕組み」を整えています。
・テンプレート化
・ルーチン化
・ツール活用(Slackのリマインド、Notionのタスク一覧)
このように“気合”ではなく“工夫”で仕事時間を短縮しているのです。
実録:毎日残業していた私が定時で帰れるようになるまで
私は以前、毎日2〜3時間の残業が当たり前の生活を送っていました。
「頑張ってるのに仕事が終わらない」
「早く帰る人がズルく見える」
そんな不満を抱えながら、仕事量と疲労感だけが積み重なっていきました。
そんなある日、社内表彰で「働き方改革優良社員」に選ばれたのが、定時でいつもサッと帰る佐々木さんでした。
「え、あの人が? 忙しそうにしてるところなんて見たことないのに…」
そんな驚きと悔しさから、佐々木さんに直接聞きにいったのが、私の働き方が変わるきっかけでした。
定時退社のためにやめた5つの習慣
1. 「ついでに全部やっちゃおう」はやめた
細かいタスクを一気に終わらせる“ついで作業”は、一見効率的に見えて意外と時間を取ります。
「このメール返すついでにあれも確認しておこう」
「書類を取りに行くついでにBさんに話しかけよう」
ついで行動がついでを呼び、気づけば1時間ロス。
「そのついで、本当に今やるべきか?」と立ち止まるようになりました。
2. 「頼まれたら断れない」自分をやめた
「あなただから頼みやすくて…」と言われると断れない性格。
でもその優しさが、自分の時間をどんどん侵食していたことに気づきました。
「今は難しいので午後なら可能です」
「〇時までに終わらせるべきタスクがあるので、そちらを優先させてください」
と“NO”の代わりになる言葉を用意して、受け止め方を工夫するようになりました。
3. 手を動かす前に「そもそもやるべきか」を考える
「言われたから」「前もやったから」という理由だけで仕事を受けるのをやめました。
たとえば定例資料も、「本当にこのフォーマットが必要か?」とチームで見直すことで、資料そのものを廃止に。
結果、毎週2時間かかっていた作業がゼロに。業務の“存在意義”を問うことは、定時退社の第一歩です。
4. スマホとチャットの通知を切った
SlackやTeamsの通知に反応するたびに集中力が途切れます。
「すぐ返すべき内容か?」を判断し、緊急以外は1時間に1回まとめてチェック。
通知を見るタイミングを自分で決めることで、集中と休憩のメリハリがつきました。
5. 「頑張ってる感」より「終わってる事実」を重視した
仕事中にバタバタしていると、「あの人、今日も頑張ってるね」と言われがちです。
でも本当に評価されるのは、「どれだけやったか」ではなく「何を終わらせたか」。
効率的に成果を出すことが、信頼と時間の両方を手に入れる最短ルートでした。
定時で帰ることへの罪悪感は必要?
「先に帰ると気まずい」
「早く帰るとやる気がないと思われそう」
そうした気持ちが、つい残業に引きずられる原因になっています。
でも、よく考えてください。
- あなたが残業しても、誰も感謝しない
- 「あの人また残ってる」と思われるだけ
- 次第にそれが“普通”になる
逆に、定時で帰る人はこう思われています。
- 時間内で終わらせるのが上手い
- スケジュール感がしっかりしている
- 無駄な仕事を増やさない
どちらの印象が、自分の将来にとってプラスでしょうか?
おわりに:時間を取り戻すのは自分
定時で帰るというのは、“サボり”ではなく“選択”です。
無意識のうちに増えてしまう仕事、引き受けすぎてしまう自分、なんとなく続けている習慣。
それらを1つずつ見直し、「帰れる人」になるための第一歩を踏み出しましょう。
あなたの毎日を変えるのは、気合ではなく“仕組み”です。
そして「定時に帰れる自分」は、きっと未来のあなたの味方になります。