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はじめに

エスカレーターのマナーとして最もよく知られているのは「急いでいる人のために『片側を空ける』というものでした。

しかし、近年、このマナーに変化が生じていることを皆さんはご存じでしょうか?

ここ数年のことですが、鉄道会社や日本エレベーター協会が中心となって新たな形として「エスカレーターに乗るときはじっとしておく」という内容のマナーを提唱。

実際にそうした考え方は増えてきています。

とはいえ、ようやく浸透してきたマナーが「何故今になって変化してきているのか?」というのも気になるところ。

そこで今回は、エスカレーターのマナーに関することを状況別にご紹介させていただきましょう!

お客様へのエスカレーターのマナーとは?

まず、エスカレーターでのマナーの一つ。
お客様を案内するケースからご紹介させていただきますね。

お客様を案内する際に気になることとして挙げられるのが、乗る時、先に乗ればいいのか。それとも、後に乗ればいいのかということ。

これは、降りる際も同様ですが、基本は相手よりも低い目線を意識するのがポイント。

例えば、乗る時には相手を先に乗せるように誘導する。
降りる際には自分が先に乗るようにするなど。

こうすることで相手を見下ろすことなく、低い目線をキープすることができるでしょう!
お客様をおもてなしするにあたり、大事なのは失礼の無いようにすること。

エスカレーターの乗り降りもその一つ。
ですので、ビジネスマナーとして使う必要のある方は必ず覚えておいてください!

女性へのエスカレーターのマナーもあります!

次にエスカレーターを利用するときの女性に対するマナーについて。
このケースも基本的にはお客様を優先する形で問題ありません。

つまり、

・乗るときは相手(女性)を優先
・降りるときは自分が先に乗る

相手の女性を見下すような真似をするのはマナーとして見ると完全にNG!

また、自分が下にいることで万一、足を滑らせて落下するといった急なアクシデントにも対応可能。

相手を大切に思う気持ちと有事の際の安全を確保するという2つの意味合いから、単なる位置取り以上の意味があることは間違いないですね!

ただ、注意点も存在しており、女性がスカートを履いているケース。
もしくはスカートの裾が短い場合。

この状況で真後ろに位置取るような真似をすると完全にマナー違反となります!
そのような時は自分が先に乗る、もしくは女性に配慮した位置取りを心がけましょう!

歩くのはエスカレーターのマナー違反?

最初の方でも触れた話ですが、エスカレーターのマナーとして近年。
「乗っている時はじっとしているように」という新しい意見が出されるようになりました。

とはいえ、「歩く程度なら別にいいじゃないか」と考える人も多いでしょう。

こうしたマナーを鉄道会社や日本エレベーター協会などが提唱している最も大きな理由は安全面を配慮したものだと言われています。

例えば、エスカレーター内を歩くことで人や荷物に接触。
それが基で転倒事故に繋がるのではないかという懸念があるからですね。

荷物に引っかかる形で転倒する可能性や単純にぶつかった際の衝撃で転倒。
転落の危険があるのは間違いありません!

実際問題として、エスカレーターに関連した事故は増加傾向にあり、早急な対策が求められていることも事実。

そうした背景がある以上、マナーが変化するのもやむなしと言えるのではないでしょうか?

特に高齢化社会と言われて久しい現代。

体が弱い人が増えていく毎にマナーやルールが増えていくのは、ある意味では当然と言えるのかもしれませんね。

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右にいるのが正しいエスカレーターのマナー?

エスカレーターの片側空けは最近になって変化する前まで常識と言っていいほど、浸透していた概念でした。

元々、こうした考えを国内で最初に取り入れたのは大阪だと言われており、今でも大阪を始めとした近畿圏は右立ち。

東京を中心にしたそれ以外の地域では左立ちが主流と言われています。
しかし、何故こうした考え方が広がったのか?

その理由については現在に至るまで判明していないというのが実際のところ。

ですが、よく言われているのがその頃、海外では右立ちが圧倒的に多かったこと。
そして、それを参考にしたのではないかという見解。

他にも1967年に阪急電鉄が阪急梅田駅で「左側を開けてください」とアナウンスしたこと。
1970年の大阪万博において同様の呼びかけを行ったこと等。

真相がどうであるかは判明していないものの、これらのことが近畿圏に少なからず影響を与えていたのではというのが一般的な説。

過去の出来事を踏まえた上で影響が大きかったであろうと考えられるのは、大阪万博で呼びかけがされたことではないでしょうか?

事実、当時の大阪万博では英国式マナーの実施という形で呼びかけされたと言われていますから、知名度も含め、可能性としてはそれが最も濃厚ですね!

結局、エスカレーターのマナーは止まって乗るの?

何度か本記事内でも触れているのですが、エスカレーターの現在のマナーは「乗るときはじっとしている」こと。

これには賛否両論があると思いますが、実はエスカレーターは動きながら乗るのを想定して作られてはいません。

エスカレーターの標準的な勾配は30度。
これは多くの公共の階段よりも急な設計。

加えて、ステップの高さや奥行きが大きいのもつまずきの原因に!
ステップの幅も狭く、通り抜けるのも相手の協力がなければ成立しにくい。

こうした仕様上の問題も「止まって乗る」のが正しい用途である証明にもなるでしょう!
急いでいる時に忙しい方が優先されるべきという考え方も見方によっては納得できる話。

ただ、公共の場に設置されている物を利用する以上、周囲に対する配慮が必要なのも確かなことではないでしょうか?

まとめ

・お客様相手のマナーは相手よりも低い目線を意識するのが大切!
・女性相手の場合も基本はお客様相手と同様。ただし、なるべく真後ろに位置するのは避ける

・エスカレーター内で歩くのはぶつかることで転倒の可能性があることから避けた方がいい。

・エスカレーターで右立ちをしているのは関西圏のみ。理由は不明だが、大阪万博で左空けを呼びかけたことが主な要因ではないかと思われる。

・エスカレーターは歩いて乗るような設計はされていない。そのため、正しい用途を踏まえると止まって乗るのが一般的と言える。

おわりに

私もエスカレーターに乗るとき、急いでいる際にはどうしても歩いてしまうことが多いです。

勝手に動くとは言え、ただ乗っているだけだと遅く感じますし、時間があれば話は別だとしても忙しいとマナーよりも時間の短縮を優先して考えてしまいますね。

用事がある時や閉店間際のスーパー等に駆け込んだ時。
時間ギリギリの時など。

言うのは簡単ですが、実践するのは難しいマナーでもあるでしょう。
しかし、本文内でも触れたように公共の場にあるものは個人の所有物ではありません!

その辺りを踏まえると正しい用途で使うことが求められますし、そうしないと使う権利がないとも言えるのではないでしょうか?

なので、利用する時は余裕があるならエスカレーターを。
そうでないなら階段を使う。

そういった工夫が必要なのではないか。
エスカレーターのマナーなどを見ていると私自身、そのように考えてしまいますね。

マナーはルールと違って、破る上での罰則はありませんが、マナーを守ることでより良い社会になっていくのも確か。

ですので、個人的な意見ですが、これからの時代を担っていく人たちにはそうした部分にも目を向けて欲しいと思います。

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