パソコン、スマートフォン、テレビ、ゲーム機など、あらゆる電子機器に必ずといっていいほど存在する「電源ボタン」。よく見ると、このボタンには「|(縦棒)」や「◯(丸)」、あるいはそれらを組み合わせた記号が描かれています。
この記号、なんとなく「電源を入れる・切るためのマーク」として認識している人も多いですが、実はこの形には国際的なルールや意味があるのです。
この記事では、電源ボタンの記号に込められた意味や歴史、さらには誰でも見てわかるよう工夫されたデザインの背景までを、わかりやすく解説します。
🔌 電源ボタンの「|」「◯」は何を意味する?
まず基本となる2つの記号の意味を見てみましょう。
- 「|」=オン(電源が入っている状態)
- 「◯」=オフ(電源が切れている状態)
この2つは、電気回路の世界で使われてきたスイッチの状態を示す記号です。
「|」はスイッチが接続されて通電している状態(ON)、
「◯」はスイッチが切れて通電していない状態(OFF)を表します。
💡 実は「1」と「0」に由来している
この「|」と「◯」のデザイン、実はコンピューターの世界で使われる「1(オン)」と「0(オフ)」というバイナリの概念に由来していると言われています。
- 「1」=通電している(電気が流れている)
- 「0」=通電していない(電気が流れていない)
つまり、「電源のオン・オフ」というもっとも基本的な状態を誰でも視覚的に理解できるように記号化したものが「|」と「◯」というわけです。
🌍 国際規格で定められた記号だった!
この電源マークは、IEC(国際電気標準会議)が定めた国際規格(IEC 60417)に基づいています。
電源記号には以下のような種類があります:
- ◯:完全にオフ(power off)
- |:完全にオン(power on)
- ◯の中に|:スリープやスタンバイ(soft power)
このように、似ているけれど少しずつ異なる記号が、用途に応じて定義されています。
たとえばノートパソコンの電源ボタンにある「◯の中に|」は、スタンバイ状態に入る、または完全にオフではないことを示しています。
📱 スマホやパソコンでの入力方法
この電源マークは特殊記号なので、キーボードで直接入力することはできませんが、以下のような方法で入力可能です。
スマートフォン(iOS/Android)
- 入力欄で「でんげん」や「電源」と入力し、変換候補に「⏻(電源マーク)」が表示されることがあります。
- 予測変換に出ない場合は、コピーペーストが最も確実です:⏻
Windowsパソコン
- [Windows] + [.] キーで絵文字パネルを開き、記号カテゴリから探す。
- Unicode入力:⏻(U+23FB)などを使用して入力可能(アプリによる)
Mac(macOS)
- [control] + [command] + [space] で絵文字/記号ビューアを表示し、検索欄に「電源」などと入れる。
🧠 UI/UXとしても優れた記号
この「|」「◯」の組み合わせは、非常にシンプルで直感的でありながら、世界中の人が理解しやすい視覚言語として成立しています。
文字を使わないことで、言語に依存せず誰でもすぐに意味がわかる。まさにユニバーサルデザインの優れた例といえるでしょう。
また、この記号は時代とともに物理ボタンからタッチスクリーンへと進化しても、形を変えず使われ続けており、「電源ボタンといえばこのマーク」という共通認識を築いてきました。
✅ まとめ:シンプルだけど奥深い電源マーク
電源ボタンの記号「|」「◯」には、
- 電気工学的な意味(オン/オフ)
- コンピュータのバイナリ(1/0)
- 国際的な統一規格(IEC 60417)
- ユーザーインターフェースとしての工夫
といった、複数の意味や背景が集約されています。
次にパソコンや家電の電源を入れるときは、ぜひこのシンプルな記号に込められた奥深い意味に思いを馳せてみてください。